CD棚は宝の山だった。僕らが『モンスターファーム』に熱狂した90年代の記憶

はじめに:CDが「召喚の祭壇」になった日

「キミん家のCDがモンスターの能力を決めるのだ。」

1997年、このキャッチコピーと共に現れたプレイステーションのゲームに、僕らの日常は一変しました。そう、『モンスターファーム』です。当時、僕はまだ小学生で、一人部屋で黙々とコントローラーを握る毎日。周りの友達が続編の『2』からハマりだす中、僕は初代の、あのザラついたポリゴンと独特の空気感に夢中でした。

それまで音楽を聴くためだけのものだったCDが、未知のモンスターを生み出す「祭壇」に変わった瞬間。この記事は、当時のゲーム雑誌をめくりながら、あの熱狂を追体験するタイムトラベルです。

CD棚が「円盤石」の鉱脈に変わった熱狂

「キミのCD-ROMから、モンスターが生まれる!? そんな斬新なシステムを持ったモンスター育成 SLG『モンスターファーム』。もうキミは試してみたかな?」

当時のゲーム誌も、この前代未聞のシステムに驚きを隠せない様子でした。記事には「編集部でも徹夜でありとあらゆるCD-ROMを試してみるMFフリークが出現している」と書かれていますが、それは僕らプレイヤーも全く同じ。ゲームソフトはもちろん、親の長渕のCDから、洋楽、果てはPC用のデータディスクまで…家中の円盤という円盤を掘り起こしてはプレイステーションに吸い込ませ、どんなモンスターが生まれるか一喜一憂していました。親に「またゲームばっかり!」と怒られたのも、今となっては甘酸っぱい思い出です。

ゲームの中ではCD-ROMを「円盤石」と呼ぶのですが、このネーミングセンスがまた最高でしたよね。日常にあるモノが、ゲームの世界と地続きになる感覚。200種類以上もいるというモンスターを求めて、友達の家にあるCDを借りに行った人も少なくないはずです。

思い通りにならない、だから愛おしい育成の日々

「マトモに戦えるモンスターに育てよう!」

雑誌の攻略記事にはそう簡単に書かれていますが、これが本当に難しかった。モンスターたちはただのデータではなく、感情を持った生き物でした。

「中にはワガママをいって仕事をサボッたりするヤツがいるのだ。それでは能力が伸びないばかりか、仕事をしてくれなくて、資金が底をついてしまう!?」

この記述、身に覚えがありすぎて胸が痛くなります(笑)。僕はとにかく一撃のロマンを求めて、ゴーレムの「ちから」ばかりを上げる脳筋育成をしていました。でも、ワガママを言ってトレーニングをサボったり、寿命が迫ってきたり…。パラメータを上げることだけが育成じゃないと、このゲームから教わった気がします。

栄光と賞金を掴め!白熱のバトル大会

「生んで育てて、そして戦って勝つのだ!!」

苦労して育てたモンスターの力を試す場所、それがバトル大会です。優勝した時の賞金は次の育成の糧になるし、何より自分の育てたモンスターが勝利する姿は、何物にも代えがたい喜びがありました。

特に「年末の大一番」は、ファン投票で選ばれなければ出場できないという特別感。自分のモンスターが選ばれた時は、本当に嬉しかった。…まあ、僕は四大大会を制覇することはできずに終わったんですけどね。それでも、あの緊張感と興奮は今でも忘れられません。

当時のレビュアーも「メロメロにハマった」大絶賛

この熱狂は、僕らプレイヤーだけのものではありませんでした。当時の新作ソフトレビューコーナーでも、軒並み高得点を叩き出しています。

  • がんの字(85点):「CDのデータからモンスターを生み出して戦わせる、バーコードバトラーを思わせるシステムに、育成の要素を盛り込んだアイデアは○。(中略)育成ゲームが好きなら必ずハマるオススメの1本。」
  • PON(85点):「どんなCDからでもモンスターが誕生するので、手持ちのCDを片っ端から試したくなる。これホント楽しいです。(中略)単調だけどハマること請け合い。」

「バーコードバトラーを思わせる」という表現が、時代を感じさせて最高にエモい。レビュアーたちも「メロメロにハマった」「ホント楽しい」と、その興奮をストレートな言葉で伝えてくれています。そう、理屈じゃないんです。ただただ、楽しかったんですよね。

あの頃の熱狂をもう一度、手元に。

押し入れの奥で眠っている、あの分厚いCDケース。その中には、まだ見ぬモンスターが眠っているかもしれません。

再生ボタンを押すドキドキを、今の時代に蘇らせてみませんか?

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まとめ:僕らの日常に魔法をかけたゲーム

『モンスターファーム』は、単なる育成ゲームではありませんでした。それは、僕らの日常とゲームの世界を繋げ、CDという身近なメディアに「まだ見ぬモンスターが眠る円盤石」という全く新しい価値を与えた、文化的な発明だったのだと思います。

今、この記事を読んでくれているあなたに聞きたいです。

あなたの思い出の「円盤石」は、どのアーティストの、どんなCDでしたか?

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