はじめに:あの頃、俺たちはハードの覇権を競っていた
2001年。巷ではPlayStation 2が圧倒的な存在感を放ち、俺もご多分に漏れず、毎日のようにPS2のディスクを入れ替えてはコントローラーを握りしめていた。そう、俺は断然PS2派だった。
ゲームキューブ? ああ、友達の家にあったよ。4人で集まっては『大乱闘スマッシュブラザーズDX』で叫びまくったっけな。でも不思議なもんで、GC本体を持ってるやつには絶対勝てないんだよな、アレ…。
そんな「プレステvs任天堂」みたいな空気が当たり前だった時代に、ゲーム雑誌『週刊プレイボーイ』がとんでもない爆弾を投下した。それが、この記事だ。
事件勃発! 宮本茂 × 鈴木裕、ありえない巨頭対談
「ゲームキューブ、Xbox、PS2… 2002年激戦ゲーム界の勝者は誰だ! 巨頭対談 宮本茂×鈴木裕」
見出しだけで白米3杯はいける。任天堂の『マリオ』『ゼルダ』を生んだ宮本茂。そしてセガで『バーチャファイター』『シェンムー』という伝説を築いた鈴木裕。この二人が、同じページで、隣に座って微笑んでいる…。当時のゲームキッズにとって、これは“事件”だった。
何より衝撃だったのは、PS2で『バーチャファイター4』、Xboxで『シェンムーII』のリリースを発表していた鈴木さんが、「ゲームキューブに参入する」というニュース。セガがハード戦争から撤退した直後とはいえ、これは夢にも思わない展開だった。俺は、ずっとやりたくて仕方がなかった『シェンムー』の世界観を思い浮かべながら、ゴクリと唾を飲んだのを覚えている。
「鈴木ブランドがGCで遊べるのは大歓迎」宮本茂の“公開ラブコール”
記事を読むと、当時のゲーム業界の熱気がダイレクトに伝わってくる。一部で囁かれていた「任天堂はサードパーティいらない説」を、宮本さん自らが真っ向から否定しているんだ。
「うちはそんなことはまったく考えてなくて、質の高いもの、お客さんが買って損をしたと思わせないゲームを出さないといけない」
そして、鈴木さんに対して「どんな形から始まるんですか」と、まるでファンみたいに問いかける。さらにこう続ける。
「しっかりと親方がいて、ちゃんとその親方のニオイのするゲームを作ってもらいたい。『鈴木ブランド』がGCで遊べるのは大歓迎です」
ハードメーカーの垣根を越えて、トップクリエイター同士がリスペクトを送り合う。なんて美しい光景なんだろうか。

「DCがいい形で進化した感じ」鈴木裕が絶賛したGCのポテンシャル
一方の鈴木さんも、ゲームキューブの性能をベタ褒めしているのが興味深い。
「GCはゲーム機としていろいろな面でバランスがよく、特にドライバビリティがいい。感覚としてはドリームキャスト(DC)がいい形で進化した感じ」
さらに「GCを業務用のボードにすればアーケードで遜色ないものになる」「処理能力の問題でお蔵入りしてた企画も、これならできるかも」と、クリエイター魂に火がついている様子が伝わってくる。これには胸が熱くなった。
約束された「AM2らしい作品」への期待
じゃあ、一体GCで何を作るのか? その問いに、鈴木さんはこう答えている。
「ニューゲームを投入する時は、ある程度、品質を保ったもの。それも、『AM2』というのをしっかりアピールできるところまでもっていきたい」「任天堂さんのゲームの選択肢が広げられるような『AM2』らしい作品を供給していきたい」
記事は、「鈴木氏が満を持してGCで“ニオイのするゲーム”くらいブッ飛んだモノを作ってくれるのではないか」という、とてつもない期待感で締めくくられている。
当時のキャプションには『ピクミン』や『スマブラ』の写真と共に、「子供向け!?感が強かった任天堂のソフトも、鈴木氏らの参入で今後は大人も楽しめるソフトが充実するはず」なんて書かれていて、時代を感じさせる。
あの頃の熱狂をもう一度、手元に。
結局、この夢のコラボから生まれたのは『F-ZERO AX / GX』だった。これもまた伝説的な名作になったわけだけど、当時は「完全新作のRPGか?」「新しい3D格闘か?」なんて、友達と無限の妄想を広げたものだ。
あの頃、雑誌の1ページに、僕らは未来のすべてが詰まっていると信じていた。ページをめくる指先のザラつき、インクの匂い、そしてまだ見ぬゲームへの高揚感。そんな記憶が蘇るソフトたちを、もう一度探してみないか?
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まとめ
20年以上前の雑誌を読み返すと、当時の自分が感じていた興奮や、ゲーム業界全体の熱量が真空パックされたように蘇ってくる。ハードの垣根なんて関係なく、ただ「面白いゲームを作りたい」というクリエイターたちの純粋な情熱がぶつかり合っていた時代。
俺たちゲームキッズは、そんな最高の時代の目撃者だったんだなと、改めて思う。これからも、本棚の奥で眠る雑誌というタイムカプセルを開けて、あの頃の宝物を掘り起こしていきたい。




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