僕らの冒険は、この一冊から始まった
スーパーファミコンで僕らを熱狂させた大作RPGが、新たな仲間とイベントを引っさげてPlayStationにやってきた。ナムコの『テイルズ オブ ファンタジア』。初めて分厚い攻略本を握りしめて、その隅から隅まで読み込んだのは、このゲームがきっかけだったかもしれない。
アクションみたいに動き回れる戦闘、そして何よりカッコいい「技」や「魔法」の数々。町のBGMを聴けばホッとするのに、一歩外に出れば強敵だらけ。あのドキドキ感を胸に、世界中に散らばる「奥義書」や「呪文書」を探し、最強のパーティを目指したあの熱い日々を振り返ってみよう。

奥義書探しの旅と、常に隣にあったガルドとの闘い
主人公クレスを最強の剣士にする鍵、それが複数の特技を組み合わせる「奥義」だった。ただレベルを上げるだけじゃダメ。「奥義書」を手に入れ、さらに必要な2つの特技の修得率を100%にする。この地道な作業が、僕らのゲーマー魂に火をつけたんだ。
特にヴァルハラ戦役の前は、奥義書集めのボーナスタイム。攻略本にも「ここで手に入れよう」なんて書かれてるもんだから、必死になった記憶がある。
- 魔神閃空破:12星座の塔の南西にいる剣士からタダでゲット!こういうのあると嬉しいんだよな。
- 獅子飛燕脚:ユミルの森の南西にいる老人から12,000ガルドで購入。ちょっと高いけど、未来への投資だ。
- 鳳凰千烈破:エドワード邸の南西の剣士から、これもタダ!優しさが沁みる。
- 襲爪飛燕脚:ミッドガルズの都に隠れてる町人から18,000ガルド…!足元見やがって!
タダでもらえる優しさと、高額をふっかけられる現実。このバランスがまた、冒険してるって感じだった。ユークリッドの武術大会で8連勝しないと手に入らない「獅子吼破斬」なんて、自分の腕が試される最高の舞台だったな。ダマスクスソードとテクニカルリング装備は、当時の常識だった。

可愛すぎる忍者と、その後に待つ「金策地獄」
PS版で僕らが歓喜した最大の追加要素といえば、間違いなく忍者「すず」の正式加入だろう。SFC版では NPCだった彼女と一緒に冒険できる!…と喜んだのも束の間、その道のりは想像以上に長かった。
ヴォルトの洞窟ですずを助け、忍者の里で依頼を受け、ユークリッドの武術大会で彼女の両親と戦う…。この一連の流れは、もはや本編の一部と言っていいほどのボリューム。苦労の末に彼女がパーティに加わった時の達成感は、今でも忘れられない。
しかし、本当の地獄はここからだった。すずを最強の忍びにするため、世界中のダンジョンに潜む忍者から忍術書を買い集めるのだが、その値段がとにかくエグい。
「児雷也」54万ガルド。
…え?ごじゅうよんまん?ゼロ一個多くない?当時、この数字に絶望したプレイヤーは少なくないはずだ。それでも「すずが仲間にいるなら、児雷也は修得しておきたい」という攻略本の言葉を信じ、僕らは果てしない金策の沼に沈んでいったんだ。

やり込み派を魅了した、果てなき隠し要素の沼
本編そっちのけでハマってしまうのが、ナムコRPGの恐ろしいところ。『ファンタジア』も例外じゃなかった。ダオス城から戻った後、世界22カ所の海岸線に埋められた「アイフリードの宝」探しなんて、まさに冒険そのものだった。
そして極めつけは、オリーブヴィレッジ南の海上にある「ギースショップ」。ここで売られている「コンボコマンド」は、なんと400,000ガルド!これを手に入れれば、格ゲーみたいにコマンド入力で技が出せるようになる。効率度外視、ロマン全振りのこのアイテムに、僕らは熱狂した。

あの頃の熱狂をもう一度、手元に。
攻略本を片手に、夜更かししたあの夜を思い出してみませんか?
擦り切れるまで読み込んだページの記憶が、きっと蘇るはずです。
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終わらない冒険譚
『テイルズ オブ ファンタジア』は、ただストーリーを追うだけのゲームじゃなかった。広大な世界を隅々まで歩き回り、莫大なガルドを稼ぎ、最強の技と魔法をコレクションする。その泥臭いまでの育成要素が、僕らの心を掴んで離さなかったんだと思う。
来る日も来る日も、奥義の修得率を上げるためにひたすら同じ特技を空撃ちし続けた時間。無駄なようで、でも最高に楽しかったあの時間は、間違いなく僕らの青春の一部だ。

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タイムカプセル:90-00s 深層アーカイブ|時の管理者|note1990年代・2000年代のゲーム、音楽、テレビの記憶を、当時の技術背景や世相から徹底的に深掘りする「時の管理者」による公式マガジンです。ブログ『タイムカプセル:あの頃と今』では書ききれない、より濃密で資料的価値の高いアーカイブ記事をストッ…




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