あの頃、僕らはエヴァの『謎』に熱狂した。97年劇場版『シト新生』公開日の記憶

はじめに:エヴァを語る資格なんて、僕にあるんだろうか

正直に告白すると、僕は『新世紀エヴァンゲリオン』をリアルタイムで完璧に追いかけていた世代ではない。1997年当時、まだ小学生。もちろん、綾波レイやアスカといったキャラクターは知っていたし、街中がエヴァのコラボで溢れていたのも覚えている。でも、物語の深い考察や謎について、友人たちと熱く語り合った経験はないんだ。

それでも、あの時代の「空気」だけは、今も鮮明に思い出せる。雑誌をめくるたびに目に飛び込んでくる特集記事、兄貴世代が必死に集めていたグッズ、そして、何かとてつもないことが起きているというザワザワした感覚…。今回は、そんな当時の雑誌のページをめくりながら、1997年春に公開された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』が放っていた、異常なまでの熱気を振り返ってみたい。

はじめに:エヴァを語る資格なんて、僕にあるんだろうか

社会現象の中心で、僕らは「本当の続き」を待っていた

当時の雑誌を開くと、そこには「いまや社会現象にまで発展している超人気のSFアニメ」という、もはや説明不要とも言える一文が躍っている。そう、エヴァはただのアニメではなかった。テレビシリーズの衝撃的な最終回を経て、ファンは物語の「本当の結末」と「残された謎の解明」を渇望していた。

インターネットもまだ黎明期。僕らは雑誌の考察記事を穴が開くほど読み込み、友人たちと仮説をぶつけ合った。あの頃の熱狂の中心にあったのは、間違いなく「もっと知りたい」という純粋な探究心だったんだ。

社会現象の中心で、僕らは「本当の続き」を待っていた

『夏』への壮大な前フリ。『シト新生』が約束したもの

この劇場版が特別だったのは、それ自体が完結編ではなかったことだ。誌面にはっきりとこう書かれている。

「TVシリーズでは描かれなかった数々の謎が完結編の前半で徐々に解明」「人類の命運を賭けた最後のバトルを描く、夏公開の後半に向けて期待を盛り上げてくれる」

つまり、『シト新生』は、後に公開される「夏エヴァ」(THE END OF EVANGELION)へと続く、壮大な祭りの始まりを告げる号砲だった。この「まだ続きがある」という事実が、僕らのボルテージを極限まで高めていた。一つ謎が解ければ、また新たな謎が生まれる。その繰り返しに、僕らは完全に心を奪われていた。

『夏』への壮大な前フリ。『シト新生』が約束したもの

そこは聖地だった。グッズを求めるファンで溢れた映画館

当時の熱気を物語る、非常に興味深い記述がスケジュール欄にある。「プラモデル、ガレージキットの販売有り」という一文だ。新宿、渋谷、東銀座…都内の主要スクリーンは、単に映画を上映する場所ではなかった。限定グッズやキットを求めるファンが集い、情報交換をする「聖地」と化していたんだ。

映画を観るという体験が、スクリーンの中だけで完結していなかった時代。劇場に足を運ぶこと自体が、巨大なムーブメントに参加する証だったのかもしれない。

そこは聖地だった。グッズを求めるファンで溢れた映画館

今なお輝くクリエイターと声優陣という「奇跡」

誌面には、庵野秀明総監督をはじめ、摩砂雪、鶴巻和哉といった監督陣、そしてキャラクターデザインの貞本義行氏の名前が並ぶ。さらに、緒方恵美、林原めぐみ、三石琴乃、宮村優子…声優陣に目を向ければ、四半世紀以上が過ぎた今も第一線で活躍するレジェンドばかりだ。

改めてこのクレジットを見ると、エヴァンゲリオンという作品が、いかに奇跡的な才能の集結によって生み出されたかを思い知らされる。僕らが感じていた熱狂は、この作り手たちの魂のぶつかり合いから生まれていたんだな、と。

今なお輝くクリエイターと声優陣という「奇跡」

あの頃の熱狂をもう一度、手元に。

スクリーンがくれたあの興奮と、答えを探し続けた日々。
あの頃の「問い」と「熱」を、もう一度その手に取り戻してみませんか。

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まとめ:物語を知らなくても、空気は体に刻まれている

結局のところ、僕は今でもエヴァのすべてを語れるわけじゃない。それでもいいと思っている。なぜなら、作品の知識以上に、1997年という時代が放っていた異様な熱気、社会全体がひとつの物語に夢中になっていたあの空気を肌で感じられたことが、僕にとっての財産だからだ。

この記事を読んで、「あった、あった!」と頷いてくれたあなたも、きっと同じ空気を吸っていたはずだ。あの頃の僕らが追い求めた謎の答えを、今、もう一度探しに行こうじゃないか。

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