コントローラーを握ってなくても、確かに冒険していたあの頃
ブラウン管テレビの前に、なぜか5人くらい集まっている。コントローラーを握っているのは、この家の主である友人ただ一人。僕らはその後ろや横から、固唾を飲んで画面を見守っている。誰かが技を「閃く」たびに「おおっ!」と歓声が上がり、強敵にやられれば「あー!」と本気で悔しがる。
遊んでるの?って聞かれたら、間違いなく「遊んでる」と答える。あの空間、あの時間そのものが、僕らにとって最高の遊び場だった。1997年にスクウェアから放たれた『サガ フロンティア』は、まさにそんな原体験を象徴する一本でした。
友達が淡々と進める高難易度のシナリオを、自分だったら絶対クリアできなかっただろうな、なんて思いながら眺めていたあの頃。先日、押し入れから当時のゲーム雑誌を引っ張り出してきたら、あの熱狂が鮮やかに蘇ってきたんだ。
「これは麻薬的」97年の雑誌が伝えた熱狂の渦
ページをめくると、インクの匂いと共に当時のプレイヤーたちの興奮が飛び出してくる。『ファイナルファンタジータクティクス』を差し置いてハマってしまったという読者の声が、当時の異様な熱量を物語っています。
「結局『FFT』は1章のままほったらかし。今メロメロにやり込んでいるのが『サガ フロンティア』です。『ロマサガ』シリーズはたしなむ程度だったんだけど、今回のはなんか麻薬的にハマってます。」
そう、まさに「麻薬的」だった。7人の主人公から誰を選ぶかで全く異なる物語が始まる「フリーシナリオシステム」。戦闘中に電球が光る「閃き」。そして、仲間との技が繋がった瞬間の高揚感あふれる「連携」。すべてが新しく、どこまでも自由で、そしてどこか不親切(笑)。でも、その「突き放される感じ」がたまらなかったんですよね。
君は誰から始めた? 個性的すぎる7つの物語
当時の誌面では、各主人公の特集が組まれていました。この紹介文を読むだけで「ああ、そうだった!」と膝を打つ人も多いんじゃないでしょうか。

エミリア:恋人の仇を討つトップモデル
囚人服から始まり、様々なコスチュームに着替えて戦うエミリア。シリアスな導入とは裏腹に、誌面の「実は楽天家かも。」というキャプションに思わずクスリ。グラディウスの仲間たちとの絆も熱かった。
アセルス:半人半妖の少女、運命との戦い
シリーズ屈指の人気を誇るアセルス編。人間として生きるか、妖魔として生きるかの選択に悩まされました。そして何より、どこで現れるかわからない追っ手「金獅子姫」の恐怖! 突然のエンカウントに何度肝を冷やしたことか…。
リュート:風まかせの自由な冒険
「とりあえずリュートで世界を把握するか」と最初に選んだ人も多いはず。明確な目的が少ない分、本当に自由にリージョンを巡り、仲間を集める旅は、このゲームの懐の深さを教えてくれました。
ブルー:最強の魔術士を目指す宿命
双子の兄弟ルージュとの決着をつけるため、ありとあらゆる術の資質を集める旅。ラストの展開は衝撃的でしたね。ワカツの町で「剣のカード」を取るために、音を目印にタイミングを計ったのも良い思い出です。
レッド:変身ヒーロー「アルカイザー」!
「父の仇、シュウザーとの死闘!」という見出しだけで胸が熱くなるレッド編。序盤は変身せずにステータスを上げるのがセオリーでしたが、ピンチになるとつい変身しちゃうんですよね。男の子のロマンが詰まっていました。
T260G:記憶を求める戦闘メカ
ボディタイプを換装して、どんどん強くなるメカの主人公。特定のイベントをこなさないと成長できないシビアさもサガシリーズならでは。シュライクの工房でボディを変えた時のワクワク感は忘れられません。
クーン:指輪を集める、もふもふの冒険
故郷を救うため、指輪を集める健気なモンスター。しかし、その難易度は健気ではなかった! 敵を吸収して強くなるシステムは完全にギャンブルで、雑誌にも「戦闘前にはクイックセーブを忘れずに」と書かれる始末。この一文に、どれだけのプレイヤーが救われたことか。
大人になった今、もう一度あのリージョンへ
こうして振り返ると、本当に尖っていて、挑戦的なゲームでした。友達のプレイを見て「難しそう…」と思っていたあの頃の自分。でも、大人になった今なら、この理不理尽さも、投げっぱなしの自由さも、もっと深く味わえるんじゃないかと思うんです。
幸いなことに、今は便利な倍速機能や引き継ぎ要素が追加された『サガ フロンティア リマスター』が存在します。当時はクリアできなかったあの主人公のシナリオに、もう一度挑戦してみるのも一興かもしれません。
あの頃の熱狂をもう一度、手元に。
コントローラーを握れなかった君も、途中で挫折してしまった君も、今こそ、自分だけの物語を紡ぐ時だ。
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まとめ
『サガ フロンティア』が発売された1997年から、四半世紀以上が経ちました。それでも、雑誌のページをめくれば、あの頃の興奮は少しも色褪せていません。むしろ、大人になった今だからこそ、このゲームの持つ唯一無二の魅力に気づかされるのかもしれません。
さて、これを読んでいるあなたは、最初に誰を主人公に選びましたか? そして、一番思い出に残っているシナリオは何ですか? よかったら、コメントであなたの「サガフロ」愛を聞かせてください。





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