はじめに:親に言われた「今の若い子は…」の記憶
「なんか今の若い子ってすごく堅実よね。私たちと違ってチャラチャラしていないというか(笑)」
ある雑誌の対談で、バブル期に青春を過ごしたお母さんが、アイドルとして活躍する娘の世代に送った言葉だ。この言葉に、思わず自分の親の顔が浮かんだ30〜50代は少なくないんじゃないだろうか。
僕も田舎育ちで、親にバブルの話を聞いても「あれは東京だけの祭りだよ」なんて言われて育ったクチだ。テレビの向こうで輝くDCブランドやディスコなんて、別世界の出来事。僕たちのリアルは、もっと地に足のついた、ささやかな楽しみの中にあった。
今回は、あるアイドルの親子対談記事を元に、あの頃の「世代間のギャップ」と、僕らが確かに生きていた90年代の空気感を掘り起こしてみたい。

DCブランドを着て街へ vs 居酒屋に集合してごはん
対談に登場するのは、1965年生まれでバブル世代の母・美奈子さんと、1992年生まれで当時アイドル「ぱすぽ☆」のメンバーだった娘・ゆっきぃさんだ。
美奈子さんが青春を過ごした80年代後半。服飾の専門学校に通っていた彼女は、「KENZOとかISSEY MIYAKEを着て街を歩くのが楽しみでした」と当時を振り返る。肩パッドの入ったジャケットで、エネルギーに満ちた街を闊歩する。そんなパワフルなイメージが目に浮かぶようだ。
そんな母の目には、娘たちの姿が少し物足りなく映るらしい。
「もっとチャラチャラすればいいのにって思うこともありますけどね」
この言葉、聞き覚えがありすぎる(笑)。じゃあ、僕たち90年代世代の「遊び」ってどんな感じだったか?ゆっきぃさんはこう語る。
「みんなでご飯食べに行くのが楽しいんです」
そう、それ!背伸びして高い店に行くんじゃなくて、いつものファミレスや居酒屋に集まって、だらだらと喋る。ギラギラした野心より、仲間との平和な時間を何より大切にしていた。あれが僕たちのリアルだった。
アリエルとダッフィー、そしてモー娘。に囲まれた部屋
価値観の違いは、プライベートな空間にも表れる。記事ではゆっきぃさんの自室も紹介されているんだけど、そこは「アリエルだらけ」で、ファンにもらった「オリジナル衣裳のダッフィー」が置かれているという。
この描写に、胸がキュッとなる。僕たちの世代は、大きな消費に向かうのではなく、自分の好きなモノをコレクションして、自分の世界を築き上げることに喜びを見出していたんだ。
さらに、彼女の子供時代の写真には、モー娘。のイベントで等身大のヨッシーと写真を撮る姿も。わかる。めちゃくちゃわかる。CDを何度も聴き込み、雑誌の切り抜きをファイルし、グッズを集める。外向きの派手さはないかもしれないけど、内側にはとんでもない熱量を秘めていた。それが僕たちの「推し活」の原点だったのかもしれない。
あの頃の熱狂をもう一度、手元に。
派手じゃなかったかもしれないけど、私たちだけの宝物が確かにあった。色褪せない思い出の欠片を、今もう一度探してみませんか?
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まとめ:堅実と言われた世代の、豊かな内面
バブル世代の親から見れば、僕たちは「堅実」で「チャラチャラしていない」世代だったのかもしれない。でも、それは決して熱量がなかったわけじゃない。
外へ向かうエネルギーが内側へ、自分の好きな世界を深く掘り下げる方向へと向かっただけだ。仲間との小さな絆を大切にし、自分の部屋を好きなもので満たしていく。その価値観は、現代のSNSや推し活文化にも脈々と受け継がれている気がする。
「チャラチャラしてない」?上等だ。僕たちは僕たちのやり方で、最高に熱い時代を生きてきたんだから。

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タイムカプセル:90-00s 深層アーカイブ|時の管理者|note1990年代・2000年代のゲーム、音楽、テレビの記憶を、当時の技術背景や世相から徹底的に深掘りする「時の管理者」による公式マガジンです。ブログ『タイムカプセル:あの頃と今』では書ききれない、より濃密で資料的価値の高いアーカイブ記事をストッ…




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