あの頃、セダンよりデカい車がやけに眩しかった
1996年、僕らはまだ子供だった。親父が乗っていたのは、四角くて真面目なセダン、マークⅡ。それが当たり前の風景だった。でも、友達の家に真新しいRAV4が納車された日の衝撃は今でも忘れられない。「デカい!」「カッコいい!」。週末になるとキャンプ道具を満載して出かけていく姿が、たまらなく羨ましかった。「ランクルの家は金持ち」なんて噂が、子供たちの間でのヒエラルキーを決めていた時代だ。

そう、90年代の日本は空前の「RV(レクリエーショナル・ビークル)」ブームの真っ只中。クルマは単なる移動手段じゃなく、ライフスタイルを表現する最高のツールだった。今回は、押し入れから引っ張り出してきた1996年の雑誌『Tokyo Walker』をめくりながら、あの熱狂の正体を探ってみよう。
憧れの的!「走り」も「豪華さ」も手に入れたRV・ワゴンたち
当時のRVやステーションワゴンは、ただデカくて荷物が積めるだけじゃなかった。スポーツカー並みの走りと、高級セダンのような快適性を両立させるという、無茶苦茶な夢を追いかけていたんだ。
- 三菱 レグナム:世界初の「GDIエンジン」を引っ提げて登場したスポーツワゴン。「超パワフルだ〜」という雑誌のインプレッションに、僕らも「GDIって何だか分かんないけどスゲェ!」と興奮した。サンフランシスコで撮影されたCMで流れた『愛と青春の旅立ち』のテーマ曲も、その大人びた雰囲気に拍車をかけていた。
- 日産 レグラス:「ごらん、21世紀のぜいたくだよ」というキャッチコピーと共に、パリの古城をバックに現れた都会派4WD。ゴツいだけがRVじゃない、という新しい価値観を提示した一台。150馬力のターボディーゼルという響きだけで、ご飯3杯はいけた。
- 日産 ステージア:ライバルに殴り込みをかけるように日産が放ったプレステージ・ツーリングワゴン。最上級グレードは235馬力のターボエンジン。家族を乗せるワゴンなのに、夜中には一人で走りに行きたくなるようなスペック。この二面性がたまらなかった。
- トヨタ RAV4 type G:そして、僕の友達の家にも来たRAV4。大人気モデルに165馬力のスポーツエンジンを載せた「type G」が登場した時は、その特別カラーと相まってヒーローのようだった。遊びも走りも諦めない、そんな当時の若者のアイコンだったんだ。

「小さいけど、夢はデカい」個性派コンパクトの逆襲
RVブームの一方で、小さいクルマも負けてはいなかった。「ただ小さい」んじゃなく、ユニークなアイデアで自分たちの居場所を切り開いていたんだ。
- マツダ デミオ:「小さく見えて、大きく乗れる」を地で行く自由型ワゴン。リアシートを倒せばキャンプ道具が楽々積める。CMにNBAのスター、スコッティ・ピッペン選手を起用し、巨体の彼がラゲッジにすっぽり収まる映像はインパクト絶大だった。
- ダイハツ パイザー:「セダンを超える使いやすさとワゴンを超える楽しさ」という欲張りなコンセプト。背が高くて鼻が短い、ミニバンみたいなスタイルは唯一無二。CMには、なんと20年ぶりにアグネス・ラムが登場。親世代を巻き込んで話題をさらった。
- ホンダ ロゴ:「ちょうどいい」を提案したトールボーイ。スカートの女の子でも乗り降りしやすいシートの高さとか、細かい収納の多さとか、使う人のことを考え抜いた優しさが光っていた。
どのクルマも、スペックを競うだけじゃなく、「このクルマで何をしようか?」という夢や物語を必死で売っていた。だからこそ、僕らはカタログの1ページ1ページに胸をときめかせたんだろう。

あの頃の熱狂をもう一度、手元に。
実車を手に入れるのは難しいけれど、あの頃の憧れは今でも手に入る。
手のひらサイズの相棒をデスクに飾って、熱かった時代の空気に浸ってみませんか?
🔍 「トヨタ RAV4 ミニカー」を各ショップで探す
🔍 「マツダ デミオ プラモデル」を各ショップで探す
🔍 「三菱 レグナム ミニカー」を各ショップで探す
🔍 「日産 ステージア ミニカー」を各ショップで探す
まとめ:クルマが「夢の箱」だった時代
ページが黄ばんだ雑誌を閉じると、90年代の熱気が蘇ってくる。インターネットもまだ普及しきっていなかった時代、僕らの情報源は雑誌であり、テレビCMだった。そこに描かれる「未来」や「理想のライフスタイル」に、本気で憧れていた。
今のクルマももちろん高性能で素晴らしい。でも、あの頃のクルマたちが持っていた「遊び心」や「無駄なほどの情熱」は、やっぱり特別な輝きを放っている。あなたにとって、忘れられない「夢の箱」はどのクルマでしたか?
更に深掘りした記事はnoteで公開中
本記事の「深層部」にあたる、より濃密なアーカイブをnoteマガジンに収録しています(ブログ公開後、数日以内に順次アップロード)。
誰にも邪魔されず、ひたすら「あの頃」に浸るための場所。 タイパや効率を忘れ、贅沢に時間を浪費したい夜のお供に、ぜひ。
👇タイムカプセル:90-00s 深層アーカイブ👇
タイムカプセル:90-00s 深層アーカイブ|時の管理者|note1990年代・2000年代のゲーム、音楽、テレビの記憶を、当時の技術背景や世相から徹底的に深掘りする「時の管理者」による公式マガジンです。ブログ『タイムカプセル:あの頃と今』では書ききれない、より濃密で資料的価値の高いアーカイブ記事をストッ...




コメント